障害年金における「治った」の定義とは?
- info4884385
- 2024年1月6日
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更新日:2024年1月11日
障害年金における「治癒」の定義は、一般の理解とは異なります。
障害認定日の基準は以下の通りです。
・初診日から起算して1年6か月経過した日 または
・その期間内にその傷病が治癒した場合においては、その治癒した日
「治癒した」という言葉は、一般的には「病気やケガが良くなった」と捉えられがちですが、障害認定の基準では次のように規定されています。
「傷病が治癒した場合」とは、器質的欠損、変形、または機能障害を残している場合でも、医学的に傷病が治癒したとき、またはその症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待できない状態に至った場合を指します。
わかりやすい例としては、手や足の切断、人工関節の挿入や置換、人工透析療法の開始などが挙げられます。
治療を継続しても効果が期待できない状態になっても、「治癒した」とは限りません。医師が「これ以上改善できない」と言ったからといって、障害年金の基準においては適用されないことがあります。医学的な症状の固定と障害年金の解釈は異なることに気を付ける必要があります。
例えば、脳疾患が発症してから6か月経過し、医師が症状が固定したと認めた場合、それが障害認定日となると一般的に考えられます。ただし、機能回復を目的とするリハビリを受けている場合は、障害認定までのハードルが高まります。
労災で一時金を受け取った後、症状が悪化した場合について
労災による負傷に関連して、医師から「治癒(=症状固定)」と診断され、労災の障害一時金を受け取った後に、症状が継続的に悪化している場合があります。その後、障害厚生年金の受給ができないかについての相談が寄せられます。
厚生年金の障害手当金と労災の障害一時金はどちらか選択する必要があります。通常、労災一時金の方が障害手当金よりも高額なため、多くの場合、労災一時金が選択されます。ただし、しばらく経ってから症状が悪化し、障害厚生年金3級に該当する可能性がある場合は、再度診断書を書いてくれる医院を探し、障害厚生年金の事後重症請求を検討することがあります。